20年前になる、西新宿の hyatt regengy tokyoのロビーが賑やかだったのは。 訳あって、事務所の書類を一式持ち込んで宿泊したのもその頃であった。
2階のロビーは、きらびやかでゴージャスだった。人生の何かも分からぬままに バブルで大もうけして、たった4千万弱の建売が 6千5百万になり、支払いの済んだ後の現金を手にしてその夜は興奮していた。 下のロビーはピアノやクラリネットやゴージャスな人々で 浮かれていた記憶が残る。 珍しく友人からの誘いを受けて、招待されて、そのホテルに出向いた。
名残も跡形も無い、しらっーとした閑散な雰囲気が 随分長い事 時が流れていた事を思った。
通された(みやこ)はとても雰囲気が良く賑やかであった。ふと目をやると彼岸桜に似た小さな花びらの啓翁桜が 満開に咲いている。 気分良かった。花板さんの作る 肴もお寿司も美味しかった。お店もゆったりしていて心地良い。
ご馳走を振舞ってくださった彼が、何気に言う。
健康を保つには謙虚の心が必要だ。 安全に暮らすには調和の取れた心だ。 そして幸福になるには感謝の心が必要である。 でも自由は超越した所から生まれる。その後に博愛が来る、永遠のね。 と。
九頭竜の酒を飲みながら、さしずめ私もあの頃とは違う 何かを超越した自由の境地なのかもしれないな。 私たちは霊的な話や、占いの話や、世界の経済の話や色々ゆったりと、余り言葉も多くなく 肴を味わい、時を楽しんだ。
私も、彼も共通の友人も揃ってロビーのゴージャスさを知っていて、きっと往時を偲んで居たようだ。彼は僕はね、今人を好きになりたいのだよ。酔いに任せてボソッと言った。自由の境地の私から見て何とも可愛いな、と 一足早い春の宵であった。
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